【書評・読書感想】『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』山口周著

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この記事では

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』はどういった内容?どんな人にお勧め?買うべき?

これらの全てにお答えする内容となっています。

ご購入の参考にしてみてください。

では始めます!

著者の山口周さんはどんな人?

山口周さんは、慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了後、電通、ボストン・コンサルティング・グループ等でキャリアを積んでこられた、「イノベーション、組織開発、人材」を専門とする研究者であり著作家です。

 

山口さんの特徴は、「経営」と「アート」という対極にある二つの切り口からビジネス・人材を捉えていること。ビジネスの「これまでの常識」を汲みつつ、アートを用いた「これからの常識」を問うことを得意とされています。

著書は他にも、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)などが多数あります。

 

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』は、そんな山口さんの「人材」に対する考えが詰まった一冊です。

これから社会で活躍するのはどんな人かを解説するだけでなく、読んだ方にも社会で活躍していって欲しい、そんな思いで書かれたのではないかと僕は感じました。

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』はこんな人におススメ!

おススメするのはこんな人です!

これまでのビジネス書から知識をアップデートしたい人
旧世代の考えに納得できないが、自分に自信が持てない人
今後の社会で通用する思考法を学びたい人

 

逆にこういった人にはおススメできません!

仕事で成果を上げる具体的なノウハウを知りたい人

 

メモ術だったり、ビジネスにつかえる発想法だったりを紹介する本ではありません。そのため、すぐに実践して仕事を効率化したい!といった方は購入を控えることをおススメします。

 

「社会がどう変化するか、そして僕たちはどうすべきか」という本質を学びたいという方にぜひ読んでいただきたいです!

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』の概要

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』では、これからの時代で成功するニュータイプの特徴が解説されています。

その数なんと24つ。

 

ニュータイプの思考・行動様式24つ

1. 問題を「発見」する
2. 「課題」を提案する
3. 未来を「構想」する
4. 「意味」を見出す
5. 「作りたいもの」がある
6.  「意味のポジション」をとる
7.  「共感」させる
8. 「直感」を使う
9. 「偶然性」を使う
10. 「自分の倫理観」に従う
11. 「複数のモノサシ」を持つ
12. 「複数の組織」と関わる
13. 「自分の価値が高まる場所」で努力する
14. 場所と「ビジョン」を合わせる
15. 「素人」の意見を聞く
16. 「大量」に試す
17. 上手く「逃げる」
18. 「シェア」し「ギブ」する
19. 「常識」に囚われない
20.「他者」で自分を変える
21. 「パターン」に固執しない
22.「モビリティ」を高める
23. 「権威」で行動しない
24. 「脚本」を書く

 

たくさんありますね(笑)

個人的に良かった点はこの網羅性だけでなく、世の中で「常識」や「正しい」とされていることを一つ一つ丁寧に覆してくれること。今までのやり方がなぜ通用しないのか納得感を持って読むことができました。

 

24つを全て詳しく解説したいのですが、今回は個人的にお伝えしたい部分を一部抜粋して紹介します。

『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』のポイント

アイデア=問題解決手段である

みなさんは「アイデア」を考える場面がありますでしょうか。

 

アイデアというと起業アイデアや、仕事で上司に「新しいアイデアを考えてこい!」というシーンを想像しますね。

これらに共通していることは、「問題解決」です。

 

例えば起業の例としてあまりに有名なAppleは「手軽にインターネット端末を持ち運びたい」という問題を解決しました。

また、会社の売り上げを上げる=世の中のニーズを考える=「世の中の〇〇したい、〇〇したくない」という問題を解決するという点で共通しています。

つまり、アイデア=問題解決手段なんです。

良いアイデアはなかなか生まれない

ですが…良いアイデアってなかなか思いつかないですよね。考えてもありきたり、色んなアイデア発想法を試しても一向に効果なし。

世の中にはアイデアマンと呼ばれる人がいますが、我々一般人には到底叶わないようなアイデアを次々と生み出します。あなたの周りにもいるのではないでしょうか。

 

彼らこそ「NEWTYPE」。そんな彼らがどうして新しいアイデアを生み出せるのか知りたくありませんか?

それを知るにはまず、現代の「問題」を巡る状況について知る必要があります。

世の中の「問題」はどんどん少なくなっている

「モノの過剰化」はまた、「問題の希少化」という事態を生み出すことになります。モノが過剰に溢れかえる世界にあって、私たちは日常生活を送るにあたって、すでに目立った不満・不便・不安を感じることはなくなっています。『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』山口周著

私たちはどうしても社会は進歩する(進歩主義と言いますが)という認識なので、解決すべき問題は次から次へとあるように感じてしまいます。

ですが実際には、現代において解決すべき問題は減っています。

 

昔に比べて、衣食住は明らかに安定しましたし、インターネットで情報をいくらでも調べられる。とても便利になりました。

そんな問題が減っているからこそ、問題を解決するための手段であるアイデアは多くの人にとってとても考えにくいのです。

 

「現状に解決すべき問題がない」から「アイデアが生まれない」。

当然なんです。

社会はもはや予測不可能になった

「VUCA化の進行」は、私たちがこれまで「良い」と考えてきたさまざまな能力やモノゴトの価値に大きな影響を与えることになります。…1つ目が「経験の無価値化」です。…2つ目が「予測の無価値化」という問題です。…3つ目が「最適化の無価値化」という問題です。『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』山口周著

「問題が希少化」していることに追い打ちをかけるように、もう一つの波が訪れています。それは、社会のVUCA化。

「VUCA」とは「不安定・不確実・複雑・曖昧」の頭文字をとったもの。グローバル化・インターネットの発達により、世界は人間が認識できないほど曖昧で複雑で絶え間なく変化するものと化しました。

 

「社会のVUCA化」によって何が起こるか。過去の分析ばかりに頼っているアイデアが通用しなくなっているということです。

アイデアマンになりたいけどなれない人は、えてして分析のプロを目指します。批判するわけではありませんが、特に優等生タイプ、大手企業エリートタイプは、この傾向が強いように思います。

 

もちろん分析は大切で、過去の傾向を分析することである程度の結果を残すことはできますし、実際それで成功したたくさん例もあるでしょう。

ですが、分析だけでは通用しなくなるのがこれからの社会。昨日の常識が今日通用しない。

 

それにも関わらず過去の事例に固執したらどうなるでしょう。結果は明白。環境の大きな変化に耐えられず、失敗します。

「問題が希少化」する一方で「分析に頼ったアイデア」は通用しない。
これからはそういう社会なんです。

 

では僕たちは一体どうすればいいのでしょうか。
「ニュータイプ」に学びましょう。

ニュータイプはいかに「問題」を発見するか

ニュータイプとは、常に自分なりの「あるべき理想像」を思い描いている人のことだということになります。ニュータイプは、自分なりの理想像を構想することで、目の前の現実とそのような構想とを見比べ、そこにギャップを見出すことで問題を発見していくのです。『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』山口周著

現代においてアイデアを生み出す方法はただ一つ、「自分の理想」を持つことです。

これはスピリチュアル的なものや、理想を掲げろといった熱血的なものでもありません。

 

自分が「〇〇だったらいいな」という理想を持つ。

その理想を持つことで、現実とのギャップを認識することができ、アイデアが生まれるのです。

 

Appleは「iPhoneを作りたい」と思って行動したのではありません。

「世界中の人がインターネットを持ち運べたら素晴らしい世の中になるぞ」自らの理想を掲げた結果、それを実現するためのアイデアが生まれたのです。

 

前述した通り現状を分析してもアイデアは生まれにくくなっています。なぜなら社会は変化が激しくなり、問題自体も希少化しているから。

だからこそ考えるべきは自分自身の中にあるんです。自分の頭で理想を描く。そこで初めてギャップを認識して、解決すべきものが見える。アイデアが生まれる。

そうやってアイデアを生み出すのが「ニュータイプ」であり、私たちのあるべき姿です。

ニュータイプという新しい生き方

いかがだったでしょうか。

僕はこのアイデアに対する考え方を知ったことで、自分がなかなかアイデアを生み出せない原因を知ることができました。

そしてアイデアを考えるより先に「自分の理想」とは何かに思考を巡らせるようになりました。

 

他にもこの本を読んで「世の中の常識は〇〇だけど、△△の方がいいんじゃないか…」とモヤモヤとしていた点が、たくさん解消しました。

みなさんにも、ありませんか?常識のせいで、自分の考えに自信が持てないこと。そんなあなたに「合っていますよ」と教えてくれ、行動に自信をつけてくれる本です。

 

また、『NEWTYPE ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』には、ニュータイプの直感の使い方、ギブの精神、ポジションの移り方…などの具体的なハウトゥーではなくて、なぜそうするべきなのかという本質が書かれています

その点、ありがちなノウハウばかりで終わるビジネス書とは一線を画しています。

 

逆に「あなたは具体的に〇〇すべき」といったすぐ試せる情報を求めている人には向いていないかもしれません。

 

本質を学びたい、という方は是非ご購入してみてください!

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