【体験談あり】教養区分1次通過したけど官僚を目指すのをやめた話

engineer

こんにちは

大学3年まで国家公務員総合職=官僚を目指してました。

当初目指してた理由は①親や周りの人に勧められたから②特にやりたいことも他になかったからです。

途中で目指すのをやめた理由は①教養試験に落ちたから②試験の過程で自分が向いていないことに気付いたからです。

そんな僕から

国家総合職を目指そうかな、と思っている人に向けて

勉強方法や心構えをお伝えできればと思っています。

総合職と一般職の違い

まず国家公務員ですが

総合職と一般職に分かれます。

ネットによれば

総合職は「政策の企画立案等の高度の知識、技術または経験等を必要とする業務に従事する職員」と定義され、政策の企画立案を行います。いわゆる中央省庁(本府省)の幹部候補(官僚)として、省内での異動を繰り返しながら政策立案、法案作成、予算編成などに携わり、国家のデザインともいえるダイナミックな仕事を行います。

 

一般職は「主として事務処理等の定型的な業務に従事する職員」と定義され、政策の実行を行い、企画立案を支える立場になります。

だそうです。

ちょっとわかりにくいですよね。

カンタンにいえば、

「コロナでやばいから企業を支援しよう!予算はこれくらい使おう!」などの大きな政策を決められるのが“総合職”、「実際にお金を計算したり細かい書類を作ったりなど事務仕事をする」のが“一般職”です。ここには結構差があります。

さらに大きな差は出世スピード。総合職は、早くから幹部育成のおコースを歩み、人事異動を繰り返しながら多彩な職務を経験します。昇任のスピードが速く(40代で課長級)、若くして政策の企画や立案といった責任ある仕事を任されます。

ちなみに僕が経産省のインターンシップで聞いた話では、総合職として入ったばかりのペーペーの頃から、他の企業の一個上のランクの人(課長とか)と話すことができるとか。課長になったら、相手の企業は部長を出してくる。それだけ大切にされる存在らしいです、国なので。

でも責任ある仕事、ダイナミックな政策…と聞こえはいいですが、言ってみれば責任が大きい仕事。投げ出すわけにもいかないし、国会が忙しい時なんかはさらに忙しくなる。簡単に言えば、「残業当たり前」の仕事です。

霞が関は「不夜城」という名もある通り、夜になってもビルの電気が消えません。つまり、、そういうことです…。

終電を逃すのは当たり前で、深夜の首都高をタクシーに乗って(もちろんタクシー代は出ますが)帰った話を楽しそうにしてたおじさんがいました。

さらに言えば、働きの割に決して給料が高い、とも言えません。民間企業で同じくらい働いていれば正直もっと稼げます。仕事量に対して得られるお金の一部が「社会に貢献する」という価値に置き換わっているイメージですかね。

一般職の残業のこととかはすいません、存じ上げないので調べたりしていただければと思います。

出身大学や女性の割合

総合職も、国家公務員全体も男性65%、女性35%くらいです。

僕が試験を受けた感じも3人に1人が女性な感じだったので、感覚的にもそのくらいです。

国の決まりで30%以上採用しないとだめらしいです。

出身大学ですが、

2019年度 国家公務員採用総合職試験の合格者出身大学
1位「東京大学」307人
2位「京都大学」126人
3位「早稲田大学」97人
4位「北海道大学」81人
5位「東北大学」「慶應義塾大学」各75人
7位「九州大学」66人
8位「中央大学」59人
9位「大阪大学」58人
10位「岡山大学」55人

だそうで、やはり東大が圧倒的に強いです。ほぼ確実と言われてるのは、学閥や出世における東大びいきの存在。東大以外の出というだけで出世できないなんてことは今のご時世ないと思いますが、東大が官僚の中で一つ違う存在なのは間違いないらしいです。

【試験、勉強】

簡単に試験の概要から説明します。

総合職の試験は2つあります。
①3年9月の教養試験
②4年5月の専門試験
どっちかに受かればOK。

どっちかに受かれば、
8月からの官庁訪問という「省庁に行って面接する権利」を得られます。ここで面接して合格であれば晴れて官僚、というわけです。

で、本気で国家総合職を狙うのであれば、圧倒的に「教養試験に本気で受かりに行く」のをおすすめします。それは、教養試験の方がコスパが良すぎるから。

教養試験は最高だ

カンタンにいえば、民間就活も視野に入れてる早慶以上の学生向け試験です。

そもそも教養試験は、総合職も気になるけど民間就活したいからなあ、わざわざ専門試験の勉強をするの面倒だしなあ…という人向けに作られた試験です。

1次試験はセンター試験みたいなやつ。国語数学理科社会英語法律時事経済倫理…様々な分野からちょっとずつ問題が出されて全て選択式。プラスで小論文的なのもありますが、ほぼセンター式で決まります。

倍率10倍。これ、最初聞くとマジ?と思うんですが、冷やかしレベルで受けてる層もたくさんいて、国としてはここで足切りしたいんですよね。言ってしまえば、学力での足切り。こんだけ範囲が広くて、かつセンター試験(受験)に近い出し方をすれば、おのずと受験で色んな科目を勉強した東大卒が残りやすいというわけです。他にも、どの科目も手を抜かずに学校の勉強をちゃんと勉強してきた方にも有利だと思います。

で、ここを抜けると2次試験。

・政策立案
・グループディスカッション
・普通の面接

としごかれます。実際に官僚になったつもりで政策を考えたり、グループディスカッションをしたり。普通の面接もあります。

こちらは倍率2倍。低いな、と思いますが、僕はここで落ちました。

専門試験はモチベゲー

教養試験に落ちた人と、真面目にコツコツ勉強をしてきた人のための試験です。

教養試験なんて無理だよ…と考え2年生くらいから勉強してきた人や、教養試験で失敗した、でも官僚になりたい!という人は専門試験を受けます。

基本的に自分が通っている学部の分野、法律や経済などの勉強になります。難しいのはもちろんですが、まあそれなりに学力がある方(例えば早慶国立以上に通っている方)であれば、受かるかどうかは正直「努力するかしないか」だけだと思います。勉強してもない僕が言うのもあれですが。周りで本気で目指した人で落ちた人はあまり聞きません。

かかる時間

勉強時間ですが教養試験は自信があるなら3年生からでいいかな…
専門試験の勉強は早く始めたもん勝ちです。本気で目指すなら2年から始めるべきかと。

教養試験で受かるべき理由

で、教養試験で受かるべき理由ですが、対策にかかる時間が教養試験は桁違いに少ないから。それに民間就活が始まるまえに試験に受かれば、周りがひいひい言っている中で民間就活でも強気に(行きたい企業だけ)受けるなんてこともできます。ちなみに周りが就活してる中で、自分が専門試験の勉強してるのは精神的にやばいらしいです。落ちるかもとか私いま何してるんだろとか考えるらしい。

あと専門試験の勉強をするなら、就活も一緒にやるのはまあ不可能です。基本的に国家総合職の専門試験を受けて、落ちたら一般職や県庁、他の公務員試験を受けていくイメージですね。

※最初から国家一般職を目指すのも微妙かな…と。そんな大変な仕事をしたくない、安定を求めてある程度でいいんだ~というのもアリではあると思いますが、同じ大学の同じ学部の人が総合職でバリバリに出世していくのを見て、「自分も努力してあそこに行けばよかったな」と思うときが来るかもしれません。自分でレベルを下げるよりも、本気で総合職を狙いに行ってダメで一般職の方がベターだと僕は思います。

僕の話

僕は3年生になってから教養試験ちょちょこ始めてたかな…という思い出です。専門試験の勉強をする気にはなれず、「総合職になるのがいいのかなあ…」と考えながらダラダラ勉強してました。

で、僕は教養試験の1次試験に受かりました。センター試験が得意だったのもあって運よく、という感じです。で、慌てて2次の対策を始めました。ただ、正直なところ「本気で官僚になりたい」と思ってなかったのもあり、なあなあなまま本番へ。

で、ボコされました。周りは明らかに東大生(っぽい)の方々。グループディスカッションでは反対意見の人にフォローされながら議論したり、政策立案では現場の人の質問にうまく答えられず気まずくなったり。

一番痛感したのは、周りとの本気度の違いです。全員ではないですが、「この人は受かるだろうな」というレベルで優秀な人は、“本気で国を良くしたい”という目をしてました。“国はこうあるべき”というビジョンを持ってました。僕はちょっと斜に構えてたのもあって受かるはずもなく。

で落ちてから考えました。これからたくさん専門試験の勉強をして官僚になれたとして、果たして彼らのような同僚に囲まれて仕事ができるかと。残業を厭わないほど国のために働けるかと。そう考えて「自分には違うな」と気づき、民間就活へ切り替えました。

僕から伝えたいこと

途中で「自分が向いていない」ことに気付いて官僚の道をやめた僕から伝えたいのは、

国家総合職を目指すかどうかは、「よく考えて」「なる早で」決めた方がいい

ことです。周りが言うからとか、安定してそう、だとかの理由でよく考えず目指すのは本当におススメしません。勉強にも身が入りません。

まあ終身雇用も崩壊して本当に安定している会社はありませんが、それでも安定している会社はたくさんあります。国家総合職じゃなくとも社会貢献はできるし、ダイナミックな仕事はできます。

そういう意味で僕としては、自分がどういう人生(特に仕事)を歩みたいのかを考え→民間企業や国家公務員の違いなどできるだけ調べて、進路を決めるべきだと思います。

国家公務員を選択肢の一つとして、選ぶのが良いと思います。

で、総合職を目指すことに決めたらなるはやで勉強を始めてください。で、教養試験に受かってください。大学によっては教養試験対策LINEなんかも作られてグループディスカッションの練習したりもしてます。

同時に本気で受かりたいなら専門試験の勉強もすべきです。早く始めるだけ後が楽です。

ちなみに、もう1パターンとして、決めきれないからちょろちょろ教養試験の勉強をして、お試しで受けて、落ちたらスパッと民間就職へ切り替えるというのもまあありです。意外とこういう人も多いと思います。

3年くらいから就活を始めて、片手間で勉強もして、教養試験に受かったらラッキー、受からなくても民間就活をすればいい、という感じ。

サークルだったりもあるので忙しいと思いますが、早めの行動がカギです。

そんな感じです、頑張ってください!

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